ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、どちらも魅力的で頭が良いと評価される犬種です。
これらは大型犬ですが、性格は温和で扱いやすいという特徴があります。
実際に、この二つの犬種は同じ「レトリバー」のグループに分類されていますが、個々にはまったく異なる特性を持っています。
この記事では、ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの主要な違いについて詳しく説明します。
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの違いについて
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーを識別する最大の特徴は、毛の長さにあります。
ゴールデン・レトリバーは長い毛を持つことで知られる長毛種ですが、ラブラドール・レトリバーは短い毛が特徴の短毛種です。
ただし、毛の長さだけが異なるわけではなく、起源も異なります。
ラブラドール・レトリバーの原産国はカナダで、ゴールデン・レトリバーはスコットランドが起源です。
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの歴史
ゴールデン・レトリバーは1850年代にスコットランドで様々な犬種の交配によって生まれました。
その血統には、ニューファンドランド、ウェイビーコーテッド・レトリーバー、ツウィード・ウォーター・スパニエル、イリッシュ・セッター、ブラッドハウンドなどが含まれています。
対照的に、ラブラドール・レトリバーはセント・ジョンズ・レトリバーとニューファンドランド犬の交配により生まれたと言われていますが、その詳細な系統は確定しておらず、多くの犬種が混交しているとされます。
両犬種はニューファンドランドの血を引いていますが、直接の親戚ではありません。
レトリバーという名前の由来
「レトリバー」という名前には「回収する」という意味があり、もともとは狩猟犬として活躍していました。
特に水鳥猟において、撃ち落とされた獲物を水中から回収し、持ち帰る役割を担っていました。
英語で「回収する」を意味する”retrieve”が名前の由来です。
そのため、これらの犬種は水辺での活動を特に好む性質があります。
また、「セッター」という名前は獲物を見つけて伏せる（Set）行動に由来し、これも狩猟で利用される重要な行動です。
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの飼いやすさ比較
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、どちらも人気の高い犬種で、親しみやすく頭が良いことが特徴です。
しかし、両犬種には性格における差異が存在します。
例えば、ラブラドール・レトリバーは毛色によって性格が異なることが知られており、ゴールデン・レトリバーはトレーニングの方法によってその飼いやすさが左右されます。
ゴールデン・レトリバーの特徴
ゴールデン・レトリバーは、飼い主に対する忠実さと共に働くことへの喜びを感じる犬種です。
もともと狩猟犬として用いられ、水鳥を回収する任務を果たしていましたが、現在ではその高い訓練性を活かし、介助犬や警察犬としても広く活躍しています。
通常は穏やかですが、強い好奇心を持ち、しつけの方法によってはやんちゃな性格になることもあります。
賢い犬種であるため、愛情深くしつければしっかりと学びますが、吠えることもあるため必ずしも静かではありません。
ラブラドール・レトリバーの特徴
ラブラドール・レトリバーは、その穏やかで優しい性格と、飼い主に対する忠誠心で知られています。
ゴールデン・レトリバーと同様に、介助犬や盲導犬としても非常に評価が高いです。
性別による性格の違いが見られ、メスは比較的穏やかで自立心が強いのに対し、オスはより忠誠心があり飼い主を深く信頼します。
毛色にはイエロー、チョコレート、ブラックのバリエーションがあり、イエローは温和で、チョコレートは活動的、ブラックは大胆な性格とされています。
ただし、個体差があるため、実際に選ぶ際にはこれらを一つの参考点として考慮することが重要です。
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの飼育メリットとデメリット
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、共に賢くて人懐こい性格が魅力の大型犬種です。
そのため、他の大型犬に比べて飼育しやすい面があります。
これらの犬種を飼う際の、メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
飼育のメリット
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、その穏やかで知的な性質から、どんな家庭にも適応しやすく、信頼できるパートナーになります。
適切に訓練すれば、介助犬や番犬としても大きな役割を果たすことができ、家庭の一員として多くの貢献を期待できます。
また、これらの犬種は学習能力が高く、飼い主との絆を深めやすいことも大きな利点です。
飼育のデメリット
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、温和な性格をしていますが、その大きな体から予想外の行動で周囲に怪我をさせる可能性があります。
また、しつけが十分でない場合、無駄吠えや悪戯をすることもあります。
これらの犬種は非常に賢いため、訓練を怠ると飼い主の期待を裏切る行動を取ることも。
さらに、大型犬のための食費や医療費も高く、継続的な経済的負担が大きいです。
ゴールデン・レトリバーは特に長い毛を持っているため、頻繁な掃除が必要となり、手間がかかります。
単に「かわいいから」という理由での飼育は避けた方が良いでしょう。
まとめ
ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーは、見た目の最大の違いが毛の長さです。
ゴールデン・レトリバーは長毛種で、ラブラドール・レトリバーは短毛種とされています。
さらに、それぞれ原産国が異なり、ニューファンドランドを起源に持つことで知られています。
両犬種はともに非常に賢く、性格も温和で人懐こいため、飼い主に対する忠誠心が非常に強いです。
これらの犬種は飼育しやすいとされていますが、大型犬であるため、訓練の方法によっては扱いが難しい場合もあります。
賢さを活かして適切に訓練すれば、愛情深い家庭の一員として成長します。
飼育を開始すると、10年から20年という長い期間を犬と過ごすことになるため、新たに家族として迎える前には、環境の整備や犬の性格、適切な訓練方法についてしっかりと学ぶことが求められます。
犬と飼い主双方にとって幸せな生活を送るためにも、「かわいいから」という理由だけでの飼育は避けましょう。
