ニオイバンマツリは、初夏に素敵な香りを漂わせる花を咲かせる植物で、その花色が変わるユニークな特性が魅力です。
開花時には3種類の色の花を楽しめます。
この記事では、ニオイバンマツリの基本的な特徴、適切な剪定時期、そして効果的な育て方についてご紹介します。
ニオイバンマツリの特徴
ニオイバンマツリは南アメリカが原産で、ナス科に属する半耐寒性の常緑低木です。
ブルンフェルシアや、アメリカジャスミンという別名も持っています。
樹高は1.5メートルから3メートルほどに成長し、開花期は4月から7月にかけてです。
この植物の最大の特徴は、ジャスミンのような香りと花の色の変化です。
花は開花当初は濃い紫色で、時間が経つにつれて徐々に白に変わります。
1つの株で複数の色の花を楽しむことができ、特に5月には豊かに咲き誇りますが、秋まで時折花を咲かせ続けます。
15℃以上の気温で、花は繰り返し咲きます。
もともと熱帯地方の植物ですが、寒さにも比較的強く、葉は霜や雪で落ちることがあっても、株は生き残ります。
春になると新しい芽が出てきて、霜が少ない地域では屋外で越冬することができます。
暖かい地域では、葉を落とさずに屋外で冬を越し、生垣などの用途にも使われます。
低木のため、高くなりすぎず、鉢植えでの栽培も楽しめます。
ニオイバンマツリの育て方
ニオイバンマツリは、しっかりと水はけが良く、日当たりの良い場所を好む植物です。
特に鉢植えの場合、秋から春にかけては日光をたっぷり受けられる場所に置き、夏場は直射日光を避けるために半日陰へと移動させると良いでしょう。
植える時期と方法
育てる際は、ニオイバンマツリの苗を選びます。
最適な植え付け時期は、4月から6月です。
気温の暖かい地域では地植えも可能ですが、南アメリカ原産であるこの木は、関東地方より北では鉢植えが適しています。
地植えをする場合は、日当たりが良く、土が湿っている場所を選んでください。
鉢植えの際は、市販されている一般的な草花用の土を使うと便利です。
水やり
鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。
花が咲いている時期は乾燥に注意が必要です。
地植えの場合、追加の水やりは通常必要ありません。
肥料
緩効性の化成肥料を、初夏と秋に施しましょう。
開花期間中は、液体肥料を10日ごとに水やりとして与えるのが良いです。
鉢植えの植え替え
鉢の底から根が見えるようになったり、土が水を吸収しなくなった場合は植え替えのタイミングです。
鉢植えの植え替えは、1~2年に一度、春(4月~6月)に行いましょう。
増やし方
挿し木で増やすことができます。
最良の時期は4月から9月です。枝を切って約1時間水に浸けた後、バーミキュライトや鹿沼土などのきれいな土に挿します。
土が乾かないようにしっかり水やりを行い、日陰で管理しましょう。
根が生えるまでの期間は約1ヶ月です。
ニオイバンマツリの剪定方法と最適時期
ニオイバンマツリの剪定は、花が散った直後が理想のタイミングです。
最適な時期は7月中旬から下旬にかけてで、夏の終わりまでに剪定を完了させることが望ましいです。
細いまたは弱った枝は、根本から取り除きます。
過度に伸びた枝は、他の枝とのバランスを見ながら、適度に短く整えていきます。
ニオイバンマツリを定期的に剪定しないと、樹形が乱れ、外観が損なわれるため、年に一度は枝を整えることをおすすめします。
強めの剪定をすると、翌年の花の量が減ることがありますので注意が必要です。
まとめ
今回は、ニオイバンマツリの特徴、剪定のタイミング、および適切な育て方について解説しました。
この植物は、かつてある園芸サイトで春の花として人気があったものです。
知らない名前だったため、どんな特徴を持つ植物なのか調査してみました。
最初は、その独特な名前が印象的でした。
ニオイバンマツリ、または学名のブルンフェルシアについて調べてみると、この植物の名前は「外国から来たジャスミンのような香りを持つ植物」という意味だとわかりました。
「茉莉」とはアラビアジャスミンを意味し、「蕃」には外国を指す意味が含まれています。
この名前には、明治時代の文化が色濃く反映されていることが伺えます。
ただし、ニオイバンマツリはナス科に属し、モクセイ科のジャスミンとは別の種類です。
ジャスミンという名が付いていても実際にはジャスミンではない植物には、カロライナジャスミン(マチン科)やマダガスカルジャスミン(ガガイモ科)などが存在します。
以前の植物の命名法には、ある程度の大雑把さがあったのかもしれません。