夏になると天候が不安定になり、雷を伴う悪天候が増えます。
雷が頻繁に発生する中で、空が突然光り輝くことや雷の音が響くことがあります。
雷と言えば、その大きな音が印象的ですが、中には音がしない種類の雷もあります。
それが「雲放電」と呼ばれるもので、光は見えるものの音は一切発生しないのが特徴です。
この記事では、そんな音のない静かな「雲放電」の特徴と危険性、さらには通常の落雷とどう違うのかについて説明します。
音がしない雷「雲放電」の危険性と落雷との違い
空や雲が明るく輝く一方で、雷鳴が全く聞こえない現象が存在します。
この現象は何なのでしょうか。
それは「雲放電」と呼ばれ、雲の間や雲内で雷が発生して光るものの、音は地上まで届かず無音の状態で観測されます。
雷は、大気中で正と負の電荷が大量に分離し、それが放電する自然現象です。
この放電が発生する際、雷鳴という音と、電光という光が生じます。
地上と雲の間で起こる放電を落雷と呼び、雲の中や雲同士の間で起こる放電を雲放電と称しています。
一般によく知られる「落雷」は、地上に到達すると強い電流が流れ、それによって大きな音が生じます。
雷は雲内で氷の粒がこすれ合うことにより静電気が発生し、それが雷を引き起こします。
雲放電では、この電流は弱く、地上にはほとんど影響を及ぼさず、また音も小さいため、ほとんど聞こえません。
かなとこ雲に見られる雲放電のことをアンビルクローラーと言う、スラング。雲が冷気を吹き出したあと、雲放電が増えてくると減衰期に入った証拠。 pic.twitter.com/sW9niYgTSp
— 青木豊⚡写真家・ストームチェイサー (@junk_photograph) August 28, 2021
しかし、雲放電の危険性は無視できません。
光る現象が見られる場合、雷が遠いことを示すかもしれませんが、落雷が発生しやすい場所と雲放電が発生する場所には大きな差はないため、落雷の可能性がある場合は、雷鳴が聞こえなくても、速やかに安全な場所へ移動することが重要です。
音が鳴らない雷の特徴と注意点
雷が光ると、光と音の速度差により、すぐには音が聞こえないことがあります。
一般的に、雷の音は約15~20km先からでも聞こえることがあります。
この範囲内で雷の鳴る音が聞こえたら、その近辺に落雷の危険があることを示しています。
しかし、光のみで音が聞こえない雷は、約40~50km離れた場所で発生していることが多いです。
これは地表から見ると遠く感じられるかもしれませんが、それでも雷の活動範囲内にあるため、安全とは言えません。
音のない雷が目撃される距離でも、予期せぬ落雷があるかもしれないため、注意が必要です。
また、近くで落雷が発生すると、家電製品の故障のリスクが高まります。
雷が近づいたら、電子機器の電源を切り、サージプロテクターが内蔵された電源タップを使用することで、より安全を確保できます。
雷は高地に落ちやすいため、高い位置にある場所は特に危険です。
雷が鳴り始めるか、空が明るくなったら、できるだけ早く建物の中や車内に避難することが推奨されます。
まとめ:音がしない「雲放電」について
この記事では、音がしない静かな雷、すなわち「雲放電」について詳しく説明しました。
私自身、幼少期は雷の大きな音に怖れて、外が明るくなるたびに耳を塞いで身を隠していました。
時には、音が一切しないことに驚くこともありました。
実際、最近も夜中に外の光に驚いて目を覚ましたものの、全く音がしなかったため、再び眠りについたことがあります。
雲放電は、電流が地表に到達しない時に発生します。
この電流は落雷に比べて弱く、実際には音が発生しているものの、それが非常に小さいため聞こえないことが多いです。
雷が光った後に大きな音がする場合は、15〜20kmの範囲で落雷があるかもしれません。
しかし、音がなく光るだけの場合、その距離は40〜50kmにも及びます。
音がしないからといって油断はできません。
状況によっては、その場所に雷が直撃する可能性もあります。
天候が急変し、空が明るくなったり、雷音が聞こえ始めたりすることも珍しくありません。
雷が活動している際には、特に高い場所を避け、迅速に建物や車内に避難することが重要です。
雷の危険性を正しく理解し、発生時には落雷か雲放電かを区別し、適切に対応できるようにしましょう。